2010年10月13日水曜日

「大盛りに興味はない。」
















はっとする言葉だった。笑

ハマ美という学校は、
受験予備校らしからぬ課題をしばしば行う。
11月に行われる高1・高2生科の芸術祭しかり、
我がデザイン科でやっているブランディングしかり。
今回の話はこのブランディング。
課題自体は随分と前に終わっているが、
写真を整理していて、ふと頭をよぎった。

ブランディングとは、ユーザーにとって価値のある商品、思想を構築するための活動、戦略などをさす。過去から現在までを踏襲し、これからの社会に豊かな価値を提案していく事に、本来のブランドの意味と価値があるのだ。
ロゴマークや、イメージカラーを決めたりするビジュアル的な部分はあくまで一義的なレベルの話だ。
ブランディング自体は、たかだか17〜19歳の受験生が行うスケールの事ではない。遥かにリアリティーをこえている。
だってこれ、企業がやる事だもん。
でもみんな精いっぱい背伸びして
(これが結構大事だったりするんだよね!)、
ブレスト(ブレインストーミング)やら、市場調査を2週間をかけてプレゼンテーションする。
「新しいファーストフードを提案しなさい。」
という今回のテーマを与えられ、
新たな食べ物を提案するチーム(課題は6〜8人のチームで行う)が多い中、あるチームは某牛丼チェーン店の新たなブランディングを提案してきた。
牛丼業界の戦いはご承知の通り、熾烈を極め、たびたびニュースに取り上げられている。その戦いは、かえってお互い疲弊していくようにさえ感じられ、牛丼好きにとってはなんだか寂しい。
男の食べ物としての印象が強い牛丼を、
「女の子だって食べたいの」
をキャッチフレーズにそのチームは提案してきた。
女性向けにアレンジして・・・という手法は、取り立てて目新しい事ではないが、彼、彼女らなりに「今」を肌で感じ、等身大のスケールを持ちながらも、新たに提案していく迫力があった。(大げさかもしれないけど・・・)

「大盛りに興味はない。」

ズバッと、切れ味の良い言葉だった。
彼らの日常に向けている眼差しと、寝ても起きてもこのブランディングに費やした2週間という時間が、リアリティーを感じさせたに違いない。
うん、きっとそうだ。
















(と)